イタリア・フィレンチェに10日間ほど旅に来ています。旅の中で顧客、マーケット、そしてマーケティングが完全にマッチしている集客法を行っている素敵なカフェを見つけました。

ヨーロッパ全土に言えることですが、ここでは中世以降の重厚な建造物様式によって、屋内からのインターネット回線は繋がりにくく、「wifiスポット」という看板のあるカフェに入っても、wifi速度はクリックから3~5秒かかってページ遷移というほど環境が良くありません。

また、特にイタリアではエスプレッソを頼んでわずか10秒で立ち去る「立ち飲みスタイル」が一般的なので、日本やアメリカのように「カフェで仕事」というイメージはほとんどないのかもしれない。
(事実、イタリアに来て5日目…、カフェで仕事している人をほとんど見かけません。世界中どこにでもあるはずのスタバも1店舗も見かけない)

そんな悪環境の中、「インターネット環境が職場」になりつつある私が街を歩いている時、一際目に止まったそのカフェ店内にはパソコンを開いてなにやらキーボードをカタカタ押している若者が多くいました。

「お、これだけPC開いている人がいるなら、このカフェには良いwifi環境がありそうだ。」

中に入ると、外観からは想像できないほどモダンな雰囲気を醸し出したカフェ環境がそこに…。

 

※個人撮影

私は一杯のカプチーノを頼んで席につき、店内全テーブルに置いてある紙切れに目をやった。そこには「wifi接続情報」が記載された紙切れが置いてあります。

「お、wifiパスワードが置いてある。これは気が利くな。」
(海外ではwifiパスワードを店員に直接聞くしかない飲食店が多い)

常に持ち歩いているPCを取り出し、wifi接続先を確認した後、いざ「wifiパスワード」を入れようとすると、いきなり頭を殴られたような衝撃を受けて手が止まる。

  • USER ID:IT IT Sandwich Cafe
  • PASSWORD:TRIPADVISORPLEASE(トリップアドバイザーへ投稿を)

「な、なんと!」

wifi速度が先進国とは思えないほど遅いイタリアにおいて、十分なwifi速度が出るカフェは希少な存在。
(しかも、店舗名はIT ITとインターネットカフェ?っぽい)

「インターネット速度が速い」と知人間で口コミが拡がれば、当然街内だけでもPC好きが集まる。

PCを開ければ、当然wifiパスワードを見ることになるので、プッシュ型の軽いジャブを食らわせることができる。カフェでPCを開くくらいだ。当然トリップアドバイザーへの投稿など朝飯前であろう。

 

イタリアITIT Il Sandwich Cafe画像

参照:トリップアドバイザー

↑見て分かるように、ほとんどの顧客がPCやタブレットを開いている。つまりは、ほとんど全員に対して「トリップアドバイザーよろしく」マーケティングを仕掛けていることになる。しかも、ツールシステムではなく「完全顧客手動」で。

「これだけカフェ側のマーケティングが顧客にマッチしている仕組みはないな…」と感心しながらトリップアドバイザーを確認して見ると

 

「フィレンツェのカフェ・喫茶店で60件中3位」という多数&高評価。

しかも、1位、2位を見てみると、カフェとしてだけでなくイタリアンレストランとして経営されている飲食店で、さらに「Certificate of Excellence」を受賞しているレストラン。次いで、軽食とコーヒーだけを提供する生粋のカフェ店としてはこのカフェが1位であった。

「すごい、これならwifi環境が欲しい人は自然とリピーターになり、トリップアドバイザーを見た新規見込み客には何もしなくてもアプローチできる。(当然このランキングなら観光客も誘致できる)」

いわば、このカフェはほとんど費用を掛けずに「顧客に集客させている」まさにITカフェだった。

 

レストランやカフェ自体は1ストリートで数十存在するほど、料理やサービス、カスタマーエクスペリエンスの向上だけでは中々差別化できないイタリアでよく考えられた仕組みでした。

当然、私もこの術中にハマり、フィレンツェに来たら「また立ち寄りたい」と思ったリピーターになるのでであった。

 

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