私は基本的に「名刺交換」をすることがありません。いえ、決して人(ヒト)と会わない訳ではなく、意図的に名刺交換をしない「選択」をしています。

よく「ビジネスには人脈作りが大事!」と言って、セミナーや講演会に顔を出し、手当たり次第名刺を渡している人がいますが、この考え方は危険を孕んでいることを知っておかなくてはなりません。

たしかにそこでの出会いがビジネスに繋がることがありますが、名刺をむやみに渡すことは「保険やサービスの資料請求をして、個人情報を渡している」ことと同じことなのです。

「名刺を渡す」ことが、何を生むのかを今一度考えましょう。

 

「建前の名刺交換」は一切しない

まず最初に、「名刺を渡す」ことの本来の意味・目的を考えましょう。

名刺に記載された名前、住所、メールアドレス、電話番号は相手に何をしてもらうための情報なのか?これらは当然「相手から個人的な連絡をしてもらう」ための情報ですね。

 

会社単位で連絡をしてもらうならば、コーポーレートサイトのお問い合わせフォームから連絡をしてもらえば十分です。名刺は個人情報なので、あくまで「いつでも連絡していいですよー」と意思を示すことが目的です。

すべての人間に対して個人連絡先を記載した名刺を配ることは、本当に必要な相手からの連絡と営業地味た重要度の低い相手との連絡を複雑にしてしまいます。

会う相手によって使う複数の名刺を切り替えていくほうが良いですし、失礼のないように名刺ケースも分けておいたほうが良いでしょう。

 

「今後の連絡が必要ない」と思う方には名刺交換する必要ありませんし、迫られても「あいにく名刺を持ち合わせていませんので」とやんわり断ることが重要です。

 

「名刺営業」の費用対効果は?

「建前の名刺交換は不要」ということを前提に、次のステップです。

例えば、「訪問営業」は訪問された見込み顧客からは毛嫌いされがちですが、同じようにあなたが名刺を持って「ウチは○○専門でやっています」と口頭営業しても、受け取り側が良い気持ちでクライアントになることは、よほど営業の仕組みを上手くやっていないと売上は上がりません。(どちらにしても自転車操業的になるので、リピート客にならなければ売上天井は低く、収益安定性にもかけます)

もしこのやり方で費用対効果を高めるためには、「名刺営業」ではなく、セミナーの場など相手がすでに興味を持ってくれている場合に名刺を渡す「プル型の名刺交換」を心がけると良いでしょう。

 

名刺交換は「相互資料請求」になる危険性を孕んでいる

あなたが「名刺を配る」ということは、使い方によっては、相手に自分の職業やスキルについて紹介してクライアントになってくれる可能性を開くと同時に、言い換えれば「個人情報を渡すことで、あなた自身が見込み顧客になる」ということでもあります。

名刺を配れば配るほどあなたはクライアントを獲得できる可能性は高まり(売上が上がる?)ますが、それと同時にあなたへ営業メールがひっきりなしに届く可能性もあるということを意味します。

(事実、「捨て名刺」を用意して名刺交換をした後、受け取った名刺をスキャンして、自動で営業メールを送るシステムを構築している企業も存在しますね。)

 

事前に目的を決めて打ち合わせの場で名刺交換することに意味はありますが、それ以外の場での名刺交換は、いわば「相互資料請求」になりがちなので「本当に名刺交換が必要な相手か?」を十分確認してから名刺を配りましょう。。

見込み顧客を集めているつもりが、メールが大量に届き「自分の時間が知らず知らずになくなっている…」なんて事になっては元も子もありません。

 

名刺が手に入らない「希少性」を高める

もしあなたが「(本当は持っていたとしても)普段から名刺を持ち合わせていないもので。」と名刺交換をふんわり断れば断るほど、あなたのビジネス的価値は上がることを知っていますか?

資本主義社会というよりも、自然原理において希少なものは価値が高くなる傾向があります。

非常に分かりやすい例として、上層ポジションのビジネスマン(IT企業の重役や年商1億円以上の企業しか顧問契約しない経営コンサルタントなど)が、むやみ直接連絡がとれる個人名刺をバラまけば、周りからは「あの人は簡単に連絡が取れる!」「あの人は私の知り合い!」と知り合い自慢をする人が多いように、連絡が取れる存在としての価値希少性を自ら損なうことになってしまいます。

 

例として、コンサルタント業などにおいて収益性の高いビジネスをしたければ「(個人に)連絡が取りづらい立場」として君臨することは絶対条件で、常日頃から「あの人に何のお土産話もなく連絡はできないよなー」と思わせる姿勢(マウンティング)を誇示すると良いです。

人は「いつでも連絡が取れる相手(希少性を感じない相手)」のセミナーやコンサルティングなどには参加しないものです。

「時間がお金に変わる仕事」は、よほどのことがないと名刺は交換などしてはいけないのです。

 

名刺交換は言わば「諸刃の剣」です。大勢に配りすぎれば希少性を失い、かつ自身の時間を失うことになりかねません。

本当に名刺交換が必要な相手ほど、不要な情報のやり取りはないものです。今一度「名刺交換のあり方」を考えてみてはどうでしょう?

 

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