こんにちは、貿易コンサルタント兼EC戦略アドバイザーの岡田です。
今回はネットショップ運営において、集客に効果がある価格の正しい設定方法をお伝えしていきます。
「EC販売」と言っても、アマゾン、楽天、BUYMA、ポンパレモール、ネットショップでは、
プラットホーム体系がまったく異なるため、集客アプローチの方法や価格設定の仕方も必然的に異なります。
なぜ本記事では、ネットショップに限定した価格設定をお伝えするのかと言うと、
あらゆるECプラットホームの中で、唯一他の出品者と商品・価格比較がされにくい販売場所だからです。
アマゾンや楽天では「NewBalance 1300」とブランド名と型番で調べれば、
あらゆるショップの該当商品がかなり分かりやすく陳列されてしまいます。
分かりやすいということは、ユーザー目線では当然「価格が安く」「パフォーマンスが高い」商品を
選ぶわけですから、どうしても資本力のある企業に安く販売されれば勝ち目は薄いでしょう。
しかし、ネットショップ運営では、ユーザーに自社サイトにさえ来てもられば、
同一商品(または類似商品の)商品比較がしにくいため、無意識に選択肢が少なくなります。
そこで、ショップ側が製品保証や信頼できるショップ構築さえできれていれば、
商品も徐々に魅力的に見えてきて、結果売れてしまうんですね。
もちろんネットショップ運営でも「安く仕入れて、満足度の高い製品を提供する」ことは大事なのですが、
安く仕入れることは価格交渉してもたかだか10~30%割引くらいですが、
高く売ることに関しては上限はないと言っても過言ではありません。
(定価10万円の高級ブランドバッグの原価は1万円くらいだったりしますからね)
安く仕入れることは、法人であったり、ブランドがなければ相手にされませんが、
高く売ることは実質的に誰でもできてしまいます。
では、実際にネットショップ運営で高くても売れるショップ作りのために使える
価格戦略についてお伝えしていきたいと思います。
ステップ1:なるべく多くの人にショップを見てもらう
ネットショップ販売に限らず、どの販売プラットホームにでも言えることですが、
自社サイトや商品ページにアクセスがなければ、商品が売れることはありません。
となれば、ネットショップを開設してはじめにすることは、やはり「集客」です。
一般的に「集客」と聞くと、広告・チラシを思い浮かべる方が多いと思いますが、
上記の手段以外にも・・・、例えば商品の価格設定だけで集客することも実質的には可能です。
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8対2の法則(パレートの法則)にならった価格戦略
8対2の法則とは、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという法則
物販では売上の8割を2割の商品が上げているショップが多い傾向にあります。
100商品出品していて売上100万円であれば、80万円の売上をわずか20商品で上げているということですね。
これは実際に私が運営するECサイトでも同じような傾向がありますし、
他の物販実践者も同じようなケースが多いようです。
(言い換えれば、物販で実績を出すためには最初の売れ筋商品を見つけられるまで、
リサーチを我慢できるかが肝です!)
ただし、2割の商品で「8割の売上」を上げられるのは、
「アマゾンなどの集客力✕ 売れ筋商品」がシンクロした場合だけです。
実はネットショップ販売では、2割の商品で「売上」を上げていくのではなく、
むしろ8割の商品で利益を上げていく方が何倍も上手くいきます。
ステップ2: 人気商品で集客する
ネットショップ販売では、8対2の法則を応用してまったく異なるアプローチで攻めていきます。
具体的に言うと、まず2割の人気商品を国内最安値で販売しサイトへ集客します。
(アマゾンや楽天では販売手数料が8~15%くらいかかるので、
販売手数料のかからないネットショップ販売であれば、仕入れ値が多少高くても国内最安値は取れます)
ちなみに、この2割の商品は「ブランド力」がある商品である商品が良いです。
例えばあなたが「COACH」の商品を販売しているのであれば、
「COACH バッグ」などでGoogle検索しきてくれるお客さんがいることはわかりますね?
しかし、もともとブランドがない中国輸入をネットショップで販売する場合、
ブランド名がないためにGoogle検索からのアクセスが見込めないことが多いです。
そのため、あなたがipad ケースを販売していても、「ipadケース」だけではGoogleの検索順位が
途方もなく低いところに掲載されてしまいアクセスが集まらない結果で終わってしまうのです。
ステップ3: 集客ができたら、セット購入を促す
ステップ2の価格戦略でGoogleからのアクセスが増え始めたら、
日を待たず国内最安値の商品が売れるショップになるかと思います。
ただし、人気商品を販売しただけでは利益がでませんから、ここで一工夫が必要です。
それが、例えば「5000円以上で送料無料キャンペーン」ですね。
価格帯にもよりますが、平均売価が1商品1000~3000円程度であれば、
5000円以上で送料無料くらいで良いんではないでしょうか?
ネットショップでは顧客目線で商品の選択肢が少ないため、
同サイトから欲しい商品が2つ見つかるというのは稀です。
(「平均売価✕3商品で送料無料」などの価格設定は効果が薄まるので今すぐやめましょう。)
セット購入を促す商品の利益率を高めに設定しておき、
2商品買ってもらって利益率を上げられるように価格設定をして利益を上げることがポイントですね。
ステップ4: 購入客へのアフタフォロー
もし1商品しか買ってくれなくても、心配しないでください。
その人気商品を格安で販売することによって顧客に「このショップは安い!」というイメージを残せますし、
あなたも購入客の情報も手に入れているはずなので、メルマガ等で他の商品の販促もしやすくなります。
短期的に見れば利益は残りませんが、
成功するビジネスは「売上」を上げてから「利益率」を上げるという順番が鉄則ですから、
価格戦略を間違わずに数ヶ月は我慢して取り組むことが重要です。
月に1個でも売れる導線ができれば、その線を太くしていくことで、
月に100個売れるショップへと成長していきますよ。
まとめ
以上をまとめますと、ネットショップ販売で注文を受けるための価格戦略は以下のとおりです。
ステップ1:なるべく多くの人にショップを見てもらう
ステップ2: 人気商品で集客する
ステップ3: 集客ができたら、セット購入を促す
ステップ4: 購入客へのアフタフォロー
ステップ1から4にかけて顧客は離脱していくので、
Googleアナリティクスなどでデータを見たり、アンケート形式で顧客意識を手に入れて
徐々に成約率が高いショップに成長させていきましょう。