こんにちは、貿易コンサルタント兼EC戦略アドバイザーの岡田です。
今日は「売上が上がれば、その分経費もかさむ」という話です。
どのビジネスにも言えますが、ビジネスをするには様々なコストがかかります。
特に物販は売上が上がれば、顧客対応、梱包&出荷、在庫管理、売上管理など、
やらなくれはならない作業量が多くなる特徴があって、これが物販が毛嫌いされる主な理由でもありますね。
ただし、工夫次第では売上アップによる作業量の肥大化を極力抑えることもできるので、
今日はその効率的EC運営についてお話できればなと思います。
売上高がアップした場合のシミュレーション
例えば、いま現在物販で売上100万円 利益が30万円でている場合、
人件費10万円で純利益が20万円残っていたとします。
では売上150万円 利益が50万円になれば、純利益は+20万円になるのか?
というと、作業量が多くなり人件費が+5万円かかってしまい純利益で言えば目減りすることがしばしばです。
アフィリエイトでは、メルマガ・動画配信で1人が不特定多数相手に同じ労力でアプローチできるため、
いくら売上がアップもすぐに経費増大に直結するわけではありません。
PDF教材やアプリ、システムなどのコンテンツ販売も
実質的には原価は0円で、出荷業務も必要ありませんから経費はやっぱりかかりませんよね。
ここで言いたいのは「物販よりも他のビジネスやったほうが良いよ!」ということではなく、
アフィリエイトのように売上がアップしても、作業量の増加を抑えることができるサービスを使ってみては?ということ。
例えば、荷受~出荷業務に関してはFBA以外の「フルフィルメントサービス」を使うとか。
フルフィルメントサービスとは、受注管理、在庫管理、ピッキング、商品仕分け・梱包、発送、代金請求・決済処理などを代行してくれるサービスのこと
結局、物販で最も大変かつ効率が上がらない作業って、
荷受~出荷(または納品)までの業務だと思います。
誰がやってもスピードが特別上がるわけでもない作業だけど、
システム的な効率化が図れない痒いところで、安直に人材を増やすと人件費が増大するという、
なかなか踏ん切りが付かないところですね。
最近はEC市場の拡大によって、色々なフルフィルメントサービスが普及していて、
アマゾンFBAやYahoo!ロジティクス以外にも付加価値の高いサービスを提供している業者が沢山存在します。
「入庫、出荷、梱包、送り状印刷、発送などコミコミで1出荷400円代」は当たり前の世界ですし、
FBAマルチチャンネルはメール便料金が割高なので、他の販路への販売がしにくいですから、
特別アマゾンのFBAを使う理由もなくなってきていますね。
(アマゾン販売がメインであれば、当然FBAを使った方が断然良いが・・・)
まだまだアマゾン販売をしている方が多いので「FBAが凄い!」といってもてはやされていますが、
サービスだけなら「チラシ同封」「指定の梱包材使用」など、一般のフルフィルメントの方が融通が利いたりもします。
(ネットショップなどを運営している方にとっては、こっちの方が良いかもしれませんね。)
これなら「人を雇う」というリスクがなく、売上が上がっても出荷毎にコストがかかる成果報酬体系なので、
いくら売上が上がっても、急な人件費の増大やコストの拡大を防ぐことができますよね。
フルフィルメントサービスを使わないという選択肢は?
もしフルフィルメントサービスを使わずすべて自社で賄おうとすると、まず人材を増やす必要がありますし、
中間伝達も複雑化し、仕入れ~納品までをシームレスに行うことが難しくなります。
また業務の複雑化は、人件費だけでなく、実務を行う人間に余分な時間がかかってしまうことが増えるので、
見えないところで人件費が多くかかってしまうことも増えてしまいます。
こういった書き方をすると、フルフィルメントサービスを使うことにメリットしかないように見えますが、
フルフィルメントサービスにもやっぱりデメリットはありますので念のため確認しておきましょう。
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コスト
まず1つめのデメリットとして、フルフィルメントサービスを利用するには、コストが増大する場合があります。
「1出荷400円台のサービス」であれば、各自運賃契約するよりも安いこともあるので、
全体費用を考えればそれほどコストが増大するということはないと思いますが、
ここらへんは自社で扱う商材との適合性を考えて判断する必要があります。
メール便等を多用しアマゾン以外での販路もある場合は、FBAマルチチャンネルだと料金的に役不足なので、
一般提供されているフルフィルメントサービスを使った方が良いかもしれません。
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自身でモノを確認できない
フルフィルメントサービスを使う最大のデメリットは、コストよりもむしろ
「自身で品質を確認(検品)できない」ということだと思います。
特に中国輸入をやっている方にとって、
「届いたものが発注したものと違った」
「とても販売できるようなクオリティでない」
といったこともしばしば。
フルフィルメントサービスにお願いする検品&梱包のクオリティ基準値の擦り合わせは、
時間がかかるので、最初のうちはお客様からのクレームが多くなることでしょう。
最終的にこれらのメリット・デメリットを考慮して、
自身で荷受~納品までやるか、すべて外注化してしまうかを判断する必要がありますが、
個人的な意見だとアメリカ輸入のようにある程度の品質が保たれている商品は外注化、
中国輸入で品質にバラつきがある商品は最初は自社で行う、ということが妥当かと思います。
ただし、中国輸入であってもある程度のロット数を積んで取引を依頼すると、
クオリティの高い状態で製品を送ってくれるようになります。
製品状態が安定して供給できるようになれば、
フルフィルメントサービスなど外注化を進めてもいいかと思いますね。
クオリティを上げればコストは増大し、利益が残らず廃業する可能性が出てきますし、
クオリティを下げればコストは縮小するけど、安定的にビジネスを継続することが難しくなります。
ビジネスの規模とバランスを考えて、仕組みを構築していく必要がありますね。